ダッフルコート(英語:duffle coat, duffel coat)は、外套(オーバーコート)の一種です。起源は 16 世紀頃トルコからハンガリー 経由でポーランド・リトアニア共和国に入った Czamara という民族衣装です。
19 世紀頃にはポーランドの民族衣装として一般化し 1850 年代にはヨーロッパ中で流行しました。第二次世界大戦時にイギリス海軍で防寒着として広く使用され、その余剰在庫品が大戦 後に市場に出回ったことで一般化しました。
フード付きの防寒コートで使用されている起毛仕上げの厚手の二重綾織りのダッフル生地(紡毛織物、ウール生地)が使われていた その名前はベルギーのアントウェルペン近郊の荒めの黒いウール生地の生産地としてで有名だった都市デュフェル(英語名ダッフル) に名称が由来しますが、ダッフルコート自体は同名の都市で生産されたものではなく、ダッフルで生産された生地で作られたものでも 無いです。
ダッフル生地はメルトンと似ている所もありますが、表側の糸を仕上げ工程で切断して大きく毛羽立たせる事に違いがあります。 イギリスでの起源は 1887 年のジョン・パートリッジの製品にさかのぼることができ、その数年後船舶用の防寒具を探していたイギリス 海軍によって採用されました。フロントはトグル(toggle)と称される浮き型の留め具と対になるループ数組によって留められるため、 ボタンとは違い、手袋をしたまま服を脱着衣できるのが特長です。今日市販されているダッフルコートの基礎となったイギリス海軍用の 製品は、裏地の無いキャメル色か降雪地帯では白色の生地、木製トグル、麻紐のループ、帽子の上から被れる大きなフード、膝までの丈、 肩からの水の染みこみを抑えるためのストームパッチを備え、各種制服の一番上に着用される被服として非常にゆったりした作りになっ ており、その分厚く粗野な生地は弾薬箱の内側に貼られるウール製緩衝材を転用したものだと言われています。
1950 年代に「ダッフル コート」という名前が定着するまでは海軍内部では「コンボイコート」一般には「モンティコート」として知られていました。特殊な例 として丈が短くフードとストームパッチが無い軍医療関係者用のダッフルコートも存在します。現在の民生品では、動物の角製トグルや 革製のループが用いられる事も多いです。
このコートは、イギリスのジョンパートリッジ社、グローバーオール社、フランスのオールド イングランド社の製品が有名でメルトンではなくポリエステルやフリースなどの生地を用い、形状のみを真似たものがダッフルコートと 称されている例もあります。ダッフルコート特有のトグルボタンが漁師の使う浮きから来ていると説明されることもありますがトグル ボタンは浮きとは全く関係が無く、Czamara 発祥の意匠であり民族衣装がルーツのパーツとして特徴的です。
■MATERIAL
英国海軍発祥のダッフルコート、ピーコートなどに使用されていた生地はその必要性から粗野で耐久性を重視した素材が使われてきました。制服文化がトラッドファッションの起源の 1 つであるように、80 年代、90 年代のブリティッシュトラッドを起源とする アメリカントラッド、フレンチトラッドという一つの流れの中、これらのアイテムをよりファッションビジネスの中で、実用着から ラグジュアリーなピースへと仕上げる動きが強まりました。
アメリカントラッドでは、実用着で粗野なテイストが主流だった中、特に フレンチトラッドでは海軍、陸軍で使用されてきたアイテムをより高級素材、高級副資材で作り上げるというトレンドの中で生まれた 生地の 1 つがこの、トリプルパイルという生地です。重量は従来のメルトン生地と同様重く設定されていますが、素材選定では柔ら かさとぬめり感を持ちつつ適度な硬さがある素材を使用しています。表面がヘリンボンの為、綾織りに見られがちですが、実は平織 の 2 重織りがベースになり、緯糸が 3 重にレイヤーされています。その緯糸のパイルがカット、起毛され、ヘリンボンを形成して います。今回採用したこの生地は元来の生産元であるムーアブルック社というイギリスの会社で生産されていた生地でかのエルメスが この生地以外は使わないと言わしめた素材です。
この会社は、今は倒産しており同社の意向を受け、この生地を織る事が出来る織機を 買い取り生産を始めた会社から仕入れた素材です。原材料の選定、織り、仕上げと生産に手間と時間のかかる生地で“至福の生地”と して称えられてきた素材です。
■DETAIL
数あるダッフルコートの中でもベストな形を元にパターンを作成し、より現代的に且つスタイリッシュになる様に着丈や袖周りの バランスを整え、更に機能性も持たせる為にポケット内側にファスナーポケットも配しています。素材もダッフルコート史上最高の 素材を選び、作り上げたモデルです。最高級の素材やパーツをさらに拘った作りで搭載し、セットする事でより一層商品価値を高め 全体のバランスを整えることで、最高の作品に仕上げています。
■本水牛トグル釦
原産国は主に東南アジアやインド。本水牛の角の先の部分を使う為、一頭から 2 個しか取れません。よって非常に希少価値の高い、 天然物で貴重な高級品になります。使用する長さに合わせて角の先を切断し加工します。角の大きさや長さ、太さに個体差がある為 一つ一つ手作業になります。近年では早めに若い水牛の角を切断してしまう為、よりその希少価値が高く、今回の 70mm のトグル ボタンを探すのは大変難しく、本来バックの留め具などに使用する材料をボタンに回しています。刻印もとても大変な作業になり、 一つ一つ形が微妙に違う為刻印がずれないよういくつかのジグを使いわけ刻印しており、相当手が込んだ一品になります。
【干場着用サイズ】
身長 177cm、体重 67kg、着用サイズ M(4)
品番 | MRC148-W7OL145 |
カラー | ブラック |
生産国 | 日本 |
素材 | SUPER FINE TRIPLE PILE WOOL 100% |
Notes |
サイズ表記 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
着丈 | 105 | 107 | 109 | 111 | 111 | 113 |
胸囲 | 119 | 123 | 127 | 131 | 137 | 143 |
裾幅 | 131 | 135 | 139 | 143 | 149 | 155 |
袖丈 | 59.5 | 61 | 62.5 | 64 | 64 | 65.5 |
袖幅 | 20.2 | 21 | 21.8 | 22.6 | 23.4 | 24.2 |
袖口幅 | 13.5 | 14 | 14.5 | 15 | 15.5 | 16 |
(単位:cm)